FAQ一覧

おけいこの曜日や時間は変更できますか?

授業日の中であればどの曜日にでも変更できます。

午前だけ、午後だけの組み合わせでも大丈夫です。

3ヶ月以内のお休み分の変更出席ができます。

和裁の道具を持っていません。事前に購入することが必要でしょうか?

何もお持ちにならなくても大丈夫です。

家にある裁縫箱をそのままお持ちください。その中から使えるもの買っていただくものをお分けして、不足のものは教室に用意しています。

和裁はまったくの初心者なので不安です。

皆さん初めての方ばかりです。

最初は運針からですがその日のうちに指ぬきを使って縫えるようになります。

30年クリスマス会
31年2月8日 針供養
凛マガジン(補正履歴)

●補正履歴

●ガード

●その他の加工

●安心できるお手入れのために

==============================

●補正履歴

古代のきものに「お手入れ手帳」がないのは当然です(笑)。 しかしせめて、呉服の売れ行きが好調だった昭和50年代ごろまでに、「補正履歴のわかる書類」が創案されていても良かったんちゃうかなぁ~と思います。 ※ちなみに、呉服小売業の売上は、昭和57年から平成24年の30年間で、約5分の1に激減しています。 品物が完成したとき、オプション加工が少なければ問題ないのでが、反物が売れてから仕立て上がるまでに行ったオプション加工、保管・着用中に出た難の補正を行うことがよくあります。 そうした過去の記録を把握できた方が、次に何かを行う際、圧倒的にリスクもコストも抑えられると思います。

==============================

●ガード

商品が売れてから行う加工でポピュラーなのが、ガード加工です。大手のパー○トーンさんが有名ですが、それ以外にも複数業者さんがあります。 ガードのかかっている品物にカビが出て、地直しで取ることになった場合──もちろんテストをすれば、ガードがかかっていることはすぐにわかるのですが──どこの業者さんのガードを、いつ頃施術したかという記録があれば、より効率的に情報を得ることができます。 ガード加工後の品物に何らかのトラブルがあって、補正歴のある品物をお手入れしたいというご依頼も多いです。 いちばん困るのは、染め直しです。 通常は、染料が入るように、一度ガードを落としてから染め直し→再度ガード加工 という手順になるのですが‥‥中には部分的にガードがかかったものがあったりします。 防水・防汚目的のガードなら、全体に施術するのが普通なのですが‥‥。 ガードがあるかどうかは、事前にテストをして確認するのですが、残念ながらテストはきもの全体に行うものではありません。 目立たないところでテストをしてガードがなければ、ガードなしだろうという判断になります。部分ガードを見抜けず、染め上がりを見て「あ!」となることがあるのです。 「部分ガード」に納得できる事例も、たまにはあります。あとから紋を入れた商品に、紋が泣かないようにと紋の部分だけにガード、などです。 しかし、なぜ部分ガードをしたのか、理由のわからないケースも少なくありません。

==============================

●その他の加工

仕立て後や着用後に行う(無色透明の)加工には、他にもあります。ガードの他、柔軟加工、スレハキ加工、静電気防止加工 などです。 また、難を隠すために、絵柄を描き足してある品物もあります。柄足しの染料や技法が違うと、全体を一度に処理することができません。 こちらもまた、柄足しを行った時期、使った染料や技法がわかると、地直しとしては大変助かるのですが‥‥すぐに見抜けないこともあるので、テストで確かめていきます。 持ち主さまが、個人的にクリーニングに出されていることも多いです。これが裏目に出ると、もっと厄介です。 プレスなどの熱処理、揮発洗浄の影響で、加工の一部に異変があったり、前述のオプション加工が取れていることがあります。

==============================

●安心できるお手入れのために

1 もし、クリーニングや他の加工、補正に出されたら、納品書や伝票を、きものといっしょに保管しておいてください。2.凛に補正をご依頼いただく際、その伝票類も、いっしょに送る。  記号や略語、なぐり書きであっても、参考になることがあります。 の2点です。

凛マガジン(最近増えているトラブル)
凛マガジン(袖吹きって何)

●「袖ふき」って何?

●色合いは、大切

●色選び

●本当のお気に入り

==============================

●「袖ふき」って何?

袖ふき(または袖口ふき)というパーツがあります。 洋服だと、裏地が表側に出ることはありませんが、袷(あわせ)のきものでは、袖口から裏地を少し出した状態で仕立てられます。 「ふき」は、袖だけでなく、裾にも見られます。もともと、動きの多い部分を摩擦から保護する目的で付けられたという節が有力みたいです。 これが発展して、装飾やオシャレの要素が加わるようになってきました。たとえば、ふきの内側に綿の入ったものがあります。綿が入ることで厚みと重みが出て、動いたときにペラペラしない、安定感のある印象を与えます。花嫁衣裳などを観察すると、わかりやすいと思います。 あと、和服の場合、色合わせの感覚も洋装とはかなり違います。量にするとわずかですが、裾や袖口からチラリと除く「ふき」の色に、地色や絵柄と違うものを持ってくることで、粋な色合わせや着こなしが楽しめるようになっています。

==============================

●色合いは、大切

和服の色合わせには、ある程度時代背景と言いますか、流行のようなものがあります。絵柄にも時代によって流行がありますので、色合わせを見ると、だいたいいつ頃の商品か、作られた年代がわかるケースも多いです。 さて、前置きが長くなりましたが‥‥今回ご紹介するのは、袖ふきと、八掛を交換してほしい、というご依頼です。 品物は、紬のきものでした。 持ち主である、「はなとん様」の表現をそのままお借りしますと、(以下、メール文を引用) 「お願いしたい紬には「the昭和」という感じの真っ赤な八掛と袖口ふきがついておりまして、この真っ赤がどうにも気になってしまうので、八掛を地味な色(こげ茶や紫や紺など着物に合う色もご相談にのっていただきたいです)に変えたいと思っています」 というものでした。 現物を見せていただくと、まさしく「THE昭和」という表現がピッタリ(笑)。 たしかに当時は、こんな風に、コントラストのハッキリした合わせ方が人気あったな~、と思い出しました。 きもの本体の地色や絵柄が同じでも、チラ見えの袖口や八掛の色が違うだけで、「この色合わせでは、ちょっと着にくいわー」とか、「新品に近い状態なのに、な~んか古めかしい感じがする」みたいになります。面白いですよね。 袖口と八掛の色が変わるだけで、きものを新調せずとも、雰囲気を変えることができますし、さらには着ている人が若々しく見えたり、逆に年齢不相応に落ち着いた感じに見えることもあります。 時代劇で、若い女優さんが年老いた人を演じる場合、特殊メイクだけでなく、きものの質感や色も一役買っていると思います。 高価な染め直しやリフォームに挑戦しなくても、低予算で雰囲気が変えられる──今風の言葉でいうなら「コスパ」が良いわけです。

==============================

●色選び

さて、どんな色に変更するかは、もちろんオーナーさんのお好みです。が、漠然と「好きな色に変更させていただきます」というだけでは、若干不親切。 ひと口に「赤系」と言っても、渋みは? 明るさは? どんな色と合わせたい? など、状況によって無数に候補が出てきます。 細かすぎても選べないので、凛では基本、在庫している生地の中から、ヒアリングでオーナーさんのお好みに合う色目を数種類に絞り込み、そこから選んでいただくようにしています。 今回は、全体に、少し渋めの色目に絞り込み、 1.茶色 2.緑(松葉色) 3.紫 4.グレー 5.黒  をご用意しました。表生地と合わせた状態で1色ずつ写メを撮り、選んでいただくことにしました。 このうち、1.の茶色には、絞り染めの柄が入っています。 こちらがお気に召したようで、「画像を拝見したところ、無地ばかりを想定していたので、渋茶の生地の柄が入っているところがとても素敵に思えました。是非、渋茶の生地でお願いいたします」 というご返信をいただき、決定しました。 また、八掛は、ご希望の色に染めたり、表地と同じ色に染めることも可能です。

==============================

●本当のお気に入り

納品が終わって間もなく、はなとん様から御礼のメールをいただきました。(以下、メール本文より抜粋) 「とても素敵に仕上げていただいて、大満足しております!決して高価な着物ではありませんが柄が気に入っていたので、また気持ち良く着られるようになってとても嬉しいです! と、職人冥利に尽きる、大変嬉しいお言葉を頂戴しました。 はなとん様のメールにもありますが、このようにしてご自身が関わった品物は、価格とは関係なく、特別な愛着が生まれるものです。 品物自体は古くなって、繊維のダメージが出てきても、前よりも好きになって、ずーっと大切に着続けたい!ということも、愛好家さんにはよくあるようです