生徒の窓 12/1

 

*お知らせ*

***授業状況***

✿✿ 教材 ……絵手ぬぐい 帯地  

 

手ぬぐいで季節の帯 作品例はこっちらからご覧ください

✿✿ 「着物でランチ」のお誘い……詳しくはこちら

出来るだけ自分で縫った作品をお召ください。タンスの中だけではもったいないので発表の場にもしたいです。教室歴浅い方でも肌襦袢を着ているだけでも違いますよ。先輩方たちの力作もこれからの目標になると思います。着装に自信のない方は、会は12時から始まりますが、会場は11時半から空いています。お手伝いの方がスタンバっていますのでコートやショールの下はお気楽にしていらしてください。着付けのお手伝いお願いできる方は講師までお願いします。

✿✿ 今年最後のとっておき教材 (2点)

①…パステルグリーン鬼シボちりめん。ぼってりと優しい小紋です  ②淡いグレー江戸小紋200柄 最高品です  どちらも画面上より実際の色をご覧になった方がより素敵です。教室にあります

✿✿ 「黒留袖で名古屋帯を作ろう」に 何人かの方が挑戦し始めています。素敵なものになっています。乞うご期待ですね 「今月の作品12月」に出来上がった作品が一点載っています

✿✿ 出席届……出席届の枠が変更になります。詳しくは教室でご覧ください(来年よりスタート)

✿✿ 出席やキャンセルの連絡は下記針山アイコンよりお願いします。(教室の留守電可)

✿✿マスクについてお願い……コロナウィルスによる感染防御のマスク使用については、個人の自由に任せることになっています。当教室では顔を近づけての会話が多い為、いましばらくの間マスクの着用をお願いします。(授業中会話をしない状態ではマスクを外していただいてもよいです)講師は常時着用

✿✿ 窓開換気の為、気候に合わせて着るものの調節をお願いいたします。

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 **凛マガジン**


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●新人さんの初仕事
●わからなかったら、難になる
●難じゃなく、味なのに
●知らないのなら、教えます
●ある日突然に‥
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●新人さんの初仕事

凛には日々、生産工程中に難が出た品物が持ち込まれます。

職人さんが作業中にミスをして直して欲しい、というケースもありますが、多くは生産工程中、また生産工程を終えて、メーカーさんの検品にパスしなかった商品です。
補正に出す判断となる検品、誰がやっているのでしょうか?

業界に入ったばかりの新卒さん、新人さんたちが多いのです。
一人前の仕事を任せられるように、商品のことを知ってもらおう!

そのような意図から、入社したばかりの新人さんは、自社に納品された品物に難がないか、検品する仕事からスタートします。(これには、商品の扱い方、反物を上手に巻くなど、所作の訓練も含まれます)

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●わからなかったら、難になる

検品を任された新人さんたち。
と言っても、実際は商品知識がない状態で、研修として検品現場に放り込まれる感じです。

難とはどういう症状か?を明確に知ることもなく、山積みにされた反物をひとつずつ見ていきます。

新人さんが採用される春先には、補正の依頼がドッと増えます。

「難かなぁ~? どうかなぁ~? どっちかわからんけど、見落としになったら怖いから、シール貼っとこ」みたいな品物が激増するからです。

なので、健全な商品なのに、難だと診断されて凛に持ち込まれる商品は、たくさんあります。

いったん補正に出すと、それ相応の経費がかかります。

正確に検品する眼力を育成してから任せればよいのでは?と思いますが、検品の現場に送り込む前に、新人さんたちを教育する余裕がないようです。

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●難じゃなく、味なのに

そんなわけで、「難の濡れ衣」を着せられた商品がわんさか持ち込まれます。

特に多いのが、紬です。

紬という織物は、織糸を形成する工程に特徴があり、織糸が複雑に絡まっていることなどから、一本の糸が均一な太さではありません。

ところどころに、ポツポツとした「節」があり、これが持ち味だとされています。

しかし、紬の商品知識がない人が見ると、この節が糸の出っ張り、つまり難に見えることがあるのです。

あとは、自分が担当した検品に不備があってはいけない、不良品を商品化してはいけないという真面目さが、裏目に出ることもあります。

検品の現場を見たことはありませんが、わからないことがあったら教えてもらえる先輩や上司が、少なくとも近くにはいないようです(もしくは、尋ねたところで、上の人も知らない、ということもありますが‥‥)。

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●知らないのなら、教えます

本来なら、新人を採用したメーカーさんなり問屋さんが、何が難かを説明できれば理想ですが、先方にも事情があるのでしょう。

そして、シールが貼ってあっても、それが難ではないことを誰かが説明しなければ、今後も「ナンチャッテ難」が減ることはありません。

だから、僕らが説明しています。

依頼のあった取引先さんに電話をし、検品を担当した従業員さんと話をします。

難には大変多くの種類がありますから、一朝一夕で育成できるわけではありません。

それでも、品物が届くたびに難の正誤を説明していると、新人さんたちの知識は増えてきて、やりとりもスムーズになってきます。

知識が増えると自分で判断する力も付いてきて、どのように補正して欲しいか? という指示出しもできるようになってくるのです。そういう姿を見ると、嬉しいし、頼もしく感じます。

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●ある日突然に‥‥

理由はわかりませんが、検品担当者には女性が多いんです。

「女性だから」で区別すると、今の時代、叱られてしまいますが‥‥残念なことにせっかく育った検品担当者が、突然辞めてしまうことが少なくないのです。

コトブキ退社ならおめでたいのですが、品物といっしょに「お世話になりましたが、今月末で退職することになりました」という手紙が入っていたこともありました。

やっと突っ込んだ話ができるようになったのに‥‥と、残念で寂しい気持ちになったのを思い出します。

一方、目覚ましい成長を遂げて、カリスマ検品者になる人も居ます。

ある女性検品担当者──Aさんとしましょう──は、凛と取引していた某メーカーで、商品の検品をしていました。

入社当初、検品部門には5人の担当者が居ましたが、メキメキ腕を上げて熟練レベルになり、最終的には、すべての商品を1人で任されるようになりました。

彼女はそこから10年、勤め上げました。

ところが、Aさんの職場だったメーカーが廃業することになりました。
危うく失業するところでしたが、Aさんの検品には定評があったので、業界内の別のメーカーからおがかかり、再就職することができました。

新しい職場・B社に入ってすぐ、Aさんは、B社の検品や商品管理がずさんであることに気づきました。

そして、検品担当者として会社に問題提起をし、さらに、補正の依頼先として凛との取引を勧めてくれました(B社は、補正に関する人脈がなく、それまで凛とは取引がなかったのです)。

大昔にいろいろ教えてきた女の子が、立派な検品責任者になって、取引先を背負って戻ってきてくれました。

突然の退職は寂しいですが、こういうイイ話もあるんです♪

さて、今回は「ナンチャッテ難」として紬の節を紹介しましたが、他にも、商品知識がないと失敗にしか見えん!というものがあるんです


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