凛マガジン(補正履歴)
●補正履歴
●ガード
●その他の加工
●安心できるお手入れのために
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●補正履歴
古代のきものに「お手入れ手帳」がないのは当然です(笑)。 しかしせめて、呉服の売れ行きが好調だった昭和50年代ごろまでに、「補正履歴のわかる書類」が創案されていても良かったんちゃうかなぁ~と思います。 ※ちなみに、呉服小売業の売上は、昭和57年から平成24年の30年間で、約5分の1に激減しています。 品物が完成したとき、オプション加工が少なければ問題ないのでが、反物が売れてから仕立て上がるまでに行ったオプション加工、保管・着用中に出た難の補正を行うことがよくあります。 そうした過去の記録を把握できた方が、次に何かを行う際、圧倒的にリスクもコストも抑えられると思います。
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●ガード
商品が売れてから行う加工でポピュラーなのが、ガード加工です。大手のパー○トーンさんが有名ですが、それ以外にも複数業者さんがあります。 ガードのかかっている品物にカビが出て、地直しで取ることになった場合──もちろんテストをすれば、ガードがかかっていることはすぐにわかるのですが──どこの業者さんのガードを、いつ頃施術したかという記録があれば、より効率的に情報を得ることができます。 ガード加工後の品物に何らかのトラブルがあって、補正歴のある品物をお手入れしたいというご依頼も多いです。 いちばん困るのは、染め直しです。 通常は、染料が入るように、一度ガードを落としてから染め直し→再度ガード加工 という手順になるのですが‥‥中には部分的にガードがかかったものがあったりします。 防水・防汚目的のガードなら、全体に施術するのが普通なのですが‥‥。 ガードがあるかどうかは、事前にテストをして確認するのですが、残念ながらテストはきもの全体に行うものではありません。 目立たないところでテストをしてガードがなければ、ガードなしだろうという判断になります。部分ガードを見抜けず、染め上がりを見て「あ!」となることがあるのです。 「部分ガード」に納得できる事例も、たまにはあります。あとから紋を入れた商品に、紋が泣かないようにと紋の部分だけにガード、などです。 しかし、なぜ部分ガードをしたのか、理由のわからないケースも少なくありません。
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●その他の加工
仕立て後や着用後に行う(無色透明の)加工には、他にもあります。ガードの他、柔軟加工、スレハキ加工、静電気防止加工 などです。 また、難を隠すために、絵柄を描き足してある品物もあります。柄足しの染料や技法が違うと、全体を一度に処理することができません。 こちらもまた、柄足しを行った時期、使った染料や技法がわかると、地直しとしては大変助かるのですが‥‥すぐに見抜けないこともあるので、テストで確かめていきます。 持ち主さまが、個人的にクリーニングに出されていることも多いです。これが裏目に出ると、もっと厄介です。 プレスなどの熱処理、揮発洗浄の影響で、加工の一部に異変があったり、前述のオプション加工が取れていることがあります。
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●安心できるお手入れのために
1 もし、クリーニングや他の加工、補正に出されたら、納品書や伝票を、きものといっしょに保管しておいてください。2.凛に補正をご依頼いただく際、その伝票類も、いっしょに送る。 記号や略語、なぐり書きであっても、参考になることがあります。 の2点です。