凛マガジン(マスク作成)

●マスク問題

●手作りキット

●手作りの注意点

●使い分け

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●マスク問題

マスクの品切れや買い占めが続くと、ニュースを見ていてもイヤな気分になりますが、「品切れなら、作ればいい!」「どうせ作るなら、オシャレなのがいい!」という流れになってきたようです。 小池都知事をはじめ、街でも絵柄の入ったマスクを見かけるようになりました。悲観的にならず、自粛でも楽しむ工夫をしていてイイなぁと思います。 コロナ騒動が始まってしばらく経った頃、取引先の人たちと冗談交じりに「こんなことになるんやったら、マスク作っとくんやったなぁ~」と話していたことがあります。 で、実際にマスクを生産・販売されたところがあるんです!手掛けたのは、西陣織の「金襴(きんらん)」という織物を製造する業者さんです(ここではご紹介しませんが、「金襴・マスク」で検索するとスグに出てきます)。 金襴というのは、文字通り金糸や金箔などを織り込んだ、豪華な模様織りの織物です。仏具やお坊さんの袈裟、畳の縁などにも使われています。 オンラインサイトで販売されており、品切れも出ているようです。

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●手作りキット

マスクを製品で売るには裁断や縫製が必要ですが、独自の「手作りキット」を企画されたところもあります。 広巾の染色を手掛ける会社さんで、15年ぐらい前に、シルクでアロハシャツを作って話題になりました。 その会社さんが、手作りマスクのキットを作られました。マスクが入手できず、困っている方が多いということで、無償で提供されたところ、人気殺到ですぐに品切れになったそうです。 そのキットで手作りしたマスクを、先日プレゼントしていただきました。 セットには、カットした生地が3枚(同じもの)入っていますが、これは3枚重ねることで、フィルター効果を上げるためのようです。せっかく3枚入っているのだから、裏に当てる布をガーゼや綿にすれば、おしゃれマスクを3枚作ることができます。 帯用の織物を生産されている業者さんが、うちの商品でもマスクにできるかな? とおっしゃって、生地を見せてもらいました。こちらも、試作段階まで進んだと聞いています。

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●手作りの注意点

お手元にハギレや着なくなったきものがある方は、手作りに挑戦されるのも楽しいかもしれません。 ただ、呉服の生地(正絹)には取扱に注意すべき点がありますので、手作りがうまくいくよう、説明してみます。 1.生地の選び方 まず生地の質感ですが、ツルンとした触感のものが良いかと思います。また、あまり目の詰まった生地だと呼吸がしづらかったり、これからの季節には暑いかもしれません。裏布には、ガーゼや綿布を使うと、肌触りがよくなります。 2.裁断する前に、まず洗う プロ以外(専門知識や経験のない方)が、正絹に水洗いや洗剤を用いることはNGです。ですが、マスクとして使うことを大前提に、今回は例外です。 先に水洗いをする理由は、マスクの材料として衛生的にすること以外に、正絹は水分を含むと縮むからです。息の中の水分でも、縮むかもしれません。だから、裁断する前にまず洗いましょう。稀に色落ちすることもありますが、洗うことで色落ちが流せます。 3,洗い方 ぬるま湯に中性洗剤を溶かして「振り洗い」または「軽く押し洗い」が良いと思います。洗ったらタオルなどに挟んでポンポンと水分を吸い取り、自然乾燥させましょう(ねじり絞りは避けましょう)。 アイロンを使う場合は、低音で軽~く。温度が高すぎたり、強くプレスすると繊維が伸びてしまい、マスク使用中や洗った時、再び縮むことになります。 4.裁断 織り方や糸の撚りの強さによって、伸縮の度合いはさまざまです。あまり縮まないものもあれば、 鬼しぼ縮緬(ちりめん)などは、半分~3分の1ほどにギューッと縮むので、驚かれると思います。裁断を最後にするのは、これが理由です。 洗って縮ませて、マスクとして使える状態になったら、いよいよ裁断。絵柄の中で生かしたいポイントがあれば、そこが正面になるようにレイアウトしてみましょう。 型紙や作り方の動画など、ネット上にたくさんあるようですので、ここでは紹介しませんが、ガンバってください!

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●使い分け

手作り品やハギレを何点か見て、生地によって風合いがかなり変わるなぁと思いました。 夏に付けると暑くても、冬は暖かくて快適!ということになりますし、違った素材で何枚か手作りして、使い分けると良いかと思います。

2020年07月03日