凛マガジン(格と洒落紋)

もくじ

●格と、洒落もん

●こんな絵柄が、ありました。

●季節はいつ?

●季節を合わせやすくするには?

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●格と、洒落もん きものには「格」があります。 留袖、色留袖、訪問着は、礼装となる、格の高いきものです。 色無地や小紋は、普段着として着用できますが、紋を入れると格が上がります(準礼装)。 ただし、小紋には「絵柄による格」もあったりして、厳密さを問うと非常にややこしくなります 入れる紋の数(五つ>三つ>一つ)によって、格は変わります。また、紋入れの手法(抜き紋、縫い紋など)でも、格は変わります。 紋の数は、きものの種類とも関連があります。多い方がいい!と、きものの種類を無視して五つ紋にすると、チグハグになるかもしれません。それに、紋を入れるべきではないきものもあります‥‥。 「洒落もん」が許される場なら、ユニークなコーディネートを楽しむことができるでしょう。 きものの絵柄でユニークなものもありますし、紬なら、きものが地味でも、合わせる帯が個性的な絵柄だと、粋な感じがします。 ユニークな柄の中で多いのが、「洋風柄」です。実際に、僕らが見たことのある、変わった絵柄を紹介しましょう。

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●こんな絵柄が、ありました。 以前見たことのある絵柄で、印象に残っているものを書いてみます。バブル期は、消費が多かったことと、変わったものが珍重される傾向があり、ユニークな絵柄が多かったように思います。 ★カーレース:訪問着でした。カーレースのコースの一部とクラシックカーが絵柄になっていました。 ★クリスマスツリー:上前に、クリスマスツリーが半分描かれたもの。 ★風車と田園風景:オランダの田園って感じの柄でした。 ★ギター、楽器類(洋楽器) ‥‥他にも思い出すと、いろいろ出てきます。 クリスマスツリーは季節感が強すぎて、着られる期間がとても短いですね(笑)。たくさんきものをお持ちの方でなければ、なかなか買っていただけないと思いますが‥‥クリスマスの頃、ツリー柄のきものをお召しになっていたら、それは注目を集めることでしょう。 楽器柄のきものでコンサートに出かけると、すごくオシャレな感じがするし、クルマが好きな方と会う時に、クラシックカーのきもので行ったら、きっと喜んでもらえるでしょう! こう考えると、絵柄や合わせ方ひとつで、相手へのおもてなしになることもあるんだと思いますねー。

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●季節はいつ? 伝統柄の中には、ハッキリと季節を示したものがあります。 たとえば、「桜」は春の柄です。では、春とはいつなのか?――「新春」と言われるように、1月はもう春です。1月~4月が、和装の「春」になります。 昔は、枝に咲いた桜と、桜吹雪(花びらが散っている様子)では、季節が異なる(枝の桜 → 桜吹雪の季節が来る)と言われたりしましたが、今はそこまで厳密に言われることはないと思います。 しかし、実際の品物で、季節がズレてるやん、いつ着るん?? と思う品物もありました。 祇園祭や、打ち上げ花火の絵柄が入った、袷のきものを見たことがあります。でも、祇園祭も花火も「夏」の柄なので、袷だと、季節に合わなくなってしまうのです‥‥あの品物は、どうなったのかなー‥‥。

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●季節を合わせやすくするには? 絵柄の季節は、実際より「少し早め」ぐらいが適切だと言われます。 季節と絵柄を合わせるのはいいとして、今は何着もきものをお持ちの方は少なくなっています。 少ない手持ちで季節に合わせる、いい方法はないのでしょうか?大丈夫! いくつかやり方があるんですよ 1.季節感のない絵柄を選ぶ幾何学模様など、無機的な絵柄があります。季節を気にせず着るには、季節感のない柄を選ぶとよいでしょう。 2.季節をまたいだ絵柄を選ぶ季節が変わっても着られるデザインがあります。たとえば、一着の中に、春と秋の花がいっしょに描かれているなど。このようなデザインは多く存在しますし、ルール違反でもありません。手持ちが少ない場合は、便利な一着になるでしょう。 きものの合わせ方には多少のルールがありますが、洒落もんの選び方や、小物との合わせ方で、いろんな楽しみ方ができます。

2018年03月01日